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友人からの手紙 不吉な予兆

参考 :  ヤクニンがなんと言おうとエルピーダはDue Processだが、NECは容易でない。関本以来の内紛、黒煙が収まっていない・・・

 

エルピーダ売却の次はNEC

中国政府系に呑まれかかったエルピーダ。ハイテク分野の国産技術流出が止まらない。

20126月号 FACTA

56日、会社更生手続き中のエルピーダメモリはスポンサー企業に米半導体大手マイクロン・テクノロジーを選んだ。エルピーダの社長を長年務めた坂本幸雄は、2月に会社更生法の適用を申請した後も管財人となり、最終局面で二つの選択肢を持っていた。

一つがマイクロン、もう一つが中国のホニーキャピタルと米TPGキャピタルのファンド連合である。「両陣営の条件はほぼ拮抗していたが、坂本さんが最後は常識的な判断をした」と、関係金融機関の幹部は漏らす。そこには複雑な思いがある。

1980年代後半のDRAM市場で日本勢は約8割のシェアを占め、世界を席巻した。そこへ低価格で殴り込みをかけたのが、韓国のサムスン電子。「日の丸半導体」の牙城はあっさり崩れ、「最後の砦」となったのが日立製作所とNECDRAM部門を統合し、後に三菱電機の同部門が加わったエルピーダだった。

2002年にエルピーダの社長に就任した坂本は、10年余にわたり「日の丸半導体」の命脈を繋いできた。ところが、半導体業界には「とんだ食わせ者」(NEC元幹部)と酷評する向きが少なくない。

スポンサー選定の舞台裏

日本の電機業界は08年秋のリーマン・ショックの影響をもろに受けた。エルピーダも御多分に漏れず、093月期連結純損益で1778億円の赤字に陥った。その際、坂本は経済産業省が企業救済策として打ち出した改正産業再生法の適用第1号となることに成功し、国から300億円の資本注入を受けた。

「産業のコメ」と評される半導体分野で「国産の火を消すな」という大合唱に乗じて資金を引き出したわけだが、経産省が公的救済を認めたのは、そんな感情論ばかりではなかった。

当時、台湾で半導体メーカーの再編機運が盛り上がり、DRAMについては、当局主導で台湾メモリを設立する構想が浮上した。坂本は経産省に対して、「エルピーダは台湾メモリとの資本提携を視野に入れ、アライアンスを結ぶ」と説明したため、難なく資金が出た経緯がある。ところが、台湾メモリ設立構想は頓挫し、エルピーダへの資金注入の前提が崩れてしまった。

当時の経産省幹部は「台湾メモリとの連携構想が成立するなら、エルピーダの再建も確実に進むと思った」と弁解する。

しかし、日本の半導体メーカー幹部の見方は「経産省は国交がない台湾の事情がよくわからず、坂本の口車に乗ってしまった」と辛辣だ。結局、坂本がぶち上げた台湾資本との提携は一つも実現することなく、その後のエルピーダの漂流を招いた。

2月にエルピーダが会社更生法の適用を申請する際も「坂本の食わせ者ぶりが際立った」(前出のNEC元幹部)。

そもそもマイクロンの支援を仰ぐきっかけは昨年末、エルピーダに対して、みずほコーポレート、三井住友、三菱東京UFJのメガ3行などが連名で借り入れの返済を求めたことに始まる。この時、坂本は、マイクロンとの提携による収益改善計画を説明し、了承を得ようとした。

実際、提携交渉はそれなりに進んでいた。23日にはマイクロンの幹部が来日。経産省や取引金融機関とも面会し、出資に前向きな姿勢を見せた。ところが、同じ日に米国で予想外の事故が発生した。エルピーダの窮状に同情的だったマイクロンのCEO(最高経営責任者)、スティーブ・アップルトンが航空機事故で亡くなったのだ。アップルトンは小型機の操縦が趣味で、本社近くのアイダホ州ボイシで曲芸飛行中に事故に遭ったのだ。

万策尽きた坂本は、取引金融機関と*DIP型会社更生法の適用を申請すべく、話し合いを始めた。ところが、その傍らで取引銀行に説明をすることなく、合計250億円の預金を付き合いのなかったりそな銀行へ預け替えた。そのうえで227日に事前通告することなく更生法の適用を申請した。「朝から坂本と連絡がつかなかったので、すべての約束を破るつもりだなと思った。案の定だった」と、取引金融機関の幹部は言う。

しかし、更生法の適用を申請したエルピーダの舵取りをする人物が見つからず、結局、坂本が社長から事業管財人に横滑りすることになった。そんな坂本を経産省はほとんど信用せず、中には「ペテン師」(経産省幹部)と罵る向きもあった。

実際坂本が軸となるスポンサー選びは、経産省にとって冷や汗ものだった。入札そのものは更生法の適用申請前から交渉してきたマイクロンに軍配を上げるための出来レースのようなものだったが、突然、米中ファンド連合が登場したためだ。

「華為技術が買わないか」

おまけに米中連合の正体はよくわからない。「TPGは国際入札慣れした仲介役にすぎず、おそらく資金の出し手はホニーキャピタルで、背後には中国政府がいる」と、ファンド関係者は指摘する。

万一、坂本が信頼関係を破って、米中ファンド連合に軍配を上げたりしたら、倒産したとはいえ、世界最先端とされるエルピーダの微細化技術が中国企業に流出する恐れがあった。結局、米中ファンド連合の手に落ちなかったものの、「ファンド連合の条件がマイクロンを上回っていたら、結果は逆転していた」と関係者は言う。

エルピーダ売却ではっきりしたことがある。「ハイテク分野の国産技術流出がタブーではなくなったことだ。電機業界では早速、『第2のエルピーダ』探しが始まっており、その筆頭格がNECだ」と、ファンド関係者は言う。

かつてNECの幹部は「我が国の防衛や警察の通信システムに深くかかわっているNECが、外資に買われることはあり得ない」と嘯(うそぶ)いていたが、防衛関係者は「国益のために守るべきメーカーか疑わしい」と言う。

メーンバンクの三井住友の姿勢も微妙に変わりつつある。「マツダとNECをどうするか。気の重い課題だが、NECには売るものがない。重症だ」と、同行幹部はこぼす。三井住友といえば半ば強引に旧三洋電機をパナソニック傘下に押し込み、重複した白物家電分については旧三洋分を中国の集団に売り飛ばした「実績」がある。

NECはパソコン事業を事実上、中国の集団に売却した。レノボとの合弁会社が目下のところ順調に推移しているため、NEC社内には中国勢への抵抗感が薄まりつつあるという。

「華為技術(フアーウエイ)あたりが丸ごと買ってくれないものか……」

エルピーダの処理が決まった5月初め、三井住友の役員は、冗談とも本気ともつかない言葉を口にした。(敬称略)

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